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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人



「そんなに逃げることないんじゃない?お嬢さん。知り合いでしょーよ」


逃がさないように強く掴んでくるのは、ソラ先輩に関わるなと言われていた火ノ浦さん。


睨んでも面白がるように不気味な笑みを浮かべて私の腕を離そうとしない。



「お嬢さんのことを見掛けたから、彼氏のことを親切に教えてあげようと思たのに」


「……なんですか」


「大空くんはねぇ、今日は残業で遅くなるよ?」


「私がお願いするのもあれですけど、いつも残業してくるので彼氏の仕事を手伝ってあげてください。同僚なんですよね?」



「彼氏想いの可愛いお嬢さんだなぁ。でもそのお願いは無理だ。上司だから構ってられないしな。……特に“使えない部下”には」


「っ……、その言葉、取り消してください!私の彼氏は真面目に仕事をしているはずです」


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