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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「……愛し合った仲です」
課長は恥ずかしそうにぼそりと言った。
愛し合ったこともあったけどそれはまだお互いに片思いをしていた頃のこと。
しかも結局私は課長の告白を断り、プロポーズも最後まで聞かずに阻止した。
おまけに婚約届も破き、性行為も断っている。
ここまでくればもう恋愛対象として見ていないことくらい分かるはずだ。
だから課長が一体何を考えてそう言ったのか全く理解できない。
……以上のことを心の声で素早く話して唖然としながら抱かれていた。
一方、火ノ浦さんは腹を抱えて笑いを堪えている。
「これは滑稽だ。お嬢さんは真面目で正義感のある女かと思ったけど、意外と倫理観のない女だったのかぁ」
「ちっ、違います!」

