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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人



「……彼氏の会社の人ですから一応そうなります」


どうして連れて行こうとするのかは分からないけど、私に好意があるからではなさそうなくらい分かる。


それにソラ先輩と新くんの問題は課長には関係ない事。


巻き込むわけにもいかなくてこれ以上何も言わないことにした。


このまま連れて行かれるのを覚悟して視線を下ろすと課長の手が離れていく。



でもすぐに私の腕を掴み直して、火ノ浦さんから奪うように一気にグイッと引っ張ってきた。



「ふええ!?かっ、課長……!?」


気付いた頃には課長の腕の中にいて、抱きしめられている状態になっていた。


距離を取ろうと思っても、背中を強く押さえられていて放れることができない。



「ナンパでなくとも彼女は大切な女性なので渡せません」



「おや?どうやらただの上司と部下の関係ではなさそうですねぇ。もしかして、できてます?」


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