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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「頭を冷やすために出て行ったんじゃないんですか……?」
「確かに頭は冷やしに行ったよ。でもこの時間を利用してクリスマスの準備もすればいいかなって思って」
仕事以外はいつも一緒にいるからひとりでしたかったことが何となく分かった。
まだ何の用意もできていなかった私だってソラ先輩と離れる時間ができて助かったことだし。
「どこに行くかくらい教えてくださいよ……」
「家でクリスマスの雰囲気を味わいたいって言ってたよね?だから、昨日からツリーとオーナメントとか買いに行っていたんだ。
帰ったら風子がいなかったから、その隙を狙ってクリスマスの光景を準備してプレゼントしようと思ったんだけど……。
帰ってくるの早すぎ……」
もう少し遅く帰っていればソラ先輩がしたかった装飾が完成していたんだと思う。
その光景も見たかったけど、今は何よりも嬉しいことがあった。
「私は……、ソラ先輩が帰ってきてくれてホッとしました。手紙を読んだ時、もう帰って来ないのかと思いましたので……」

