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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「至って普通だけど」
あれほど嫉妬して嫌がっていたのに課長に私を任せるなんて有り得ない。
信じられなくて自分の太股をバンッと叩いてからソラ先輩の方を前のめりになって見つめる。
「分かっているんですか!?他の男に任せたら最終的に彼氏ではなく、そっちの男に惚れちゃうってよくあるフラグなんですよ!?
恋愛漫画やドラマでも見ますからね」
恋人のフリをする危険について語り、説得しようとするとソラ先輩は首を傾げた。
私の説明が下手で伝わらないのかやきもきする。
「その統計はよく分からないけど、高校生の頃に風子に彼女のフリをしてもらったことがあったね。……あの時、好きになってくれたの?」
あれは私が高校一年生の秋。
好意があってしつこく迫ってくる同級生の女にソラ先輩が困っていて、疎遠にするために私に彼女のフリをさせた。
結果、その女は彼女がいると知って諦めてくれたわけだけど……。
「えっと……、その時は……異性としてかなり意識しましたよ。ソラ先輩が手を握ってくるから……」

