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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「俺は彼氏のフリをする前から本気で好きだったよ」
「むうう……」
嬉しくて口元が緩むけど、どうせならその時に好きだと言って欲しかった。
手を握られるのも、本物の彼女になるのも嫌じゃなかったから断らなかったのに。
いくら機嫌を取ろうと都合のいい話を言われても、課長と恋人のフリをするのことを許可してく
るのが納得いかなくて頬を膨らませてムッとした顔をしてしまう。
不満を顔に出していると、膨らませていた頬を大きな手で包まれてからそっと凹ませられていく。
「今はどうなの?」
「えっ……」
「今の俺の風子は、もうそれくらいで本心が揺らがないと思うけど」
「確かに誰かに何をされても一番愛してるのはソラ先輩だって思ってます。でも何を考えているんですか……?私を試してます?」

