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愛おしいキミに極甘な林檎を
第52章 溺愛カレシと濃密な夜



「ああ。付き合うぞ」


優しい眼差しから感じる包容力。それは上司だからというわけではなくて性格から滲み出ているものだと思った。


その優しさに甘えて遠慮なくウィンドウショッピングをする。



だけど、財布を見ている時に先程感じた不思議なものが何なのか、なんとなく分かってゾクリとして鳥肌が立つ。



この光景は前に見た夢と似ているような気がする。


もう殆ど思い出せないけれど、夢の中で誰かと一緒に買い物に行った覚えがある。



その時もこんな風にお店を見て回ってデートをしていたような……。


今回はデートではないけれど……。



「乙羽は女の子らしい物を選ぶな」


「えっ、あっ、そうですかね。ピンクが好きなのでつい子供っぽい感じのものばかり選んでしまいます」


「そうなのか。似合っているからいいと思う」


「つまりそれって私が子供っぽいってことでしょうか」



「可愛らしくて優しい色だからだ」


「それなら…、ありがとうございます……」


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