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愛おしいキミに極甘な林檎を
第52章 溺愛カレシと濃密な夜

「風子……。くれぐれも…、気をつけるんだよ……」
「へっ?」
「いや、なんでもない。事故に遭わないように気をつけて行ってきてねってこと」
「はい、気をつけます。……あっ、すみません!ハグした時にスーツにファンデーションをくっつけちゃいました」
「いいよ。いってきます」
もう一度ハグをしてキスをされた時にまた私のファンデーションがソラ先輩のスーツについた。
なんだか彼女という私がいるとマーキングしたみたいでニヤリとしてしまう。
それからあっという間に忘年会に行く時間になって、待ち合わせ場所である会社へ向かった。
課長や陸田さんがいるところへ行くと、鈴川さんが会釈をして話し掛けてきた。
「乙羽さん、今日はよろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそお世話になります。えっと陸田…さん……」
「旧姓の鈴川でいいですよ。まだ慣れてないのでこっちの方が落ち着くんです」
「分かりました。鈴川さん」
「ねぇねぇ、乙羽さーん!ちょっとこっち来て」
鈴川さんの夫である陸田さんに手招きされて行ってみると、口元に手を添えてこっそり話してくる。
「今日は結婚してから初めての旅行なんだよー。だからお願いがあるんだけど……。おれと鈴ちゃんのことを配慮して欲しいんだ」
「はい?どういうことです……?」

