この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

今日は会社の忘年会がある日。
集合場所になっていた会社から、貸切バスで温泉ホテルに移動する。
宿泊先は県外でここから車で約一時間半かかる遠い場所。
到着するまで鈴川さんの隣に座って新婚生活でも聞いてみようかと思いきや、夫の陸田さんに席を取られる。
「乙羽さん、ごめんねー。夫婦だから許して」
これは新婚旅行ではない。でも陸田夫妻はそんな感じにこの忘年会を楽しむようだ。
陸田さんからなるべく隣になるように配慮して欲しいと頼まれた。
仕方なくその前に座ると、陸田さんに勧められて課長が私の隣に座ってくる。
「上司と部下はやっぱり一緒にいなきゃねー、乙羽さん。職場公認だから大丈夫」
「この前言ってたように花城課長と乙羽さんは並ぶとお似合いです」

