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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

「ありがとうございます」
どうせ後ろの二人に見えないと思って窓側に頬杖をつき、適当に答えた私を見て課長は苦笑いをしていた。
でもあまり親しくない同僚が隣に座るよりも課長の方が気が楽だ。
「あの……、課長。私の女友達と最近どんな話をしてましたか?」
この機会に女友達に教えられたネット上で噂になっていることを知っているのか聞いてみる。
「どんなって……、乙羽が元気なのかとか、また飲みに行こうとかそういう事だ。健全なやり取りしかしていない」
「私の事、他に何か言ってませんでしたか?」
「ああ。元気に仕事をしてるかくらいだ」
「本当にそれだけなんですか?」
「またいらぬお節介を働こうとしていないだろうな。言っておくが、オレは乙羽の女友達のことを何とも思っていないからな」

