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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……



それからソラ先輩と社さんの話を私は黙って聞いていた。


この場で婚約を破棄されることは免れたけれど、心が晴れなくて俯いたままだった。


三十分ほど経った後、話を終えて玄関先へ移動する。



「――――では、お帰りをお待ちしておりますね。連絡せずにお邪魔してすみませんでした」



「いいえ、気をつけてお帰りください。あの、帰りましたらお爺様とお婆様に言っておいてください。

……この婚約を破棄するつもりは一切ないと」


「かしこまりました。それでは失礼いたします」


深々と頭を下げた社さんは帰って行った。


開いたドアの隙間からまだ降っていないと思っていた雪が舞っているのが見えた。



リビングに戻ってカップを片付けてからソラ先輩に疑問を聞いてみる。



「どうしてあの書き込みのことを知っていたんですか?」


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