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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

「えっ……。私は……」
視線を下ろした時に重ねられている右手に光るペアリングが目に入る。
答えを言わずにいるとソラ先輩から不安そうに横目を向けられて急いで話した。
「同じ気持ち…です……」
「そうでしたか。不貞を働いていると少しでも疑ってしまい申し訳ありませんでした。風子様も婚約を破棄するつもりはないということでわたくしの方からお話しておきますね。
ネットに上がってしまった書き込みはいくらお金を払っても消すことができませんが、ご希望であれば警備の者でも雇いましょうか」
「いいえ、いつも通り暮らしますよ。こちらでまいてしまった種ですし、自分たちでなんとかしてみせます」
助けを求めないということはソラ先輩は何か策があるんだろうか。
ここまで大きくなった問題にひとりで立ち向かうことは不可能に近いと思うけれど……。

