この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

「風子はどうしてそんなに弱気なの?」
「えっ……」
ソラ先輩は逃げ場をなくすように私の体を倒して真っ直ぐ見つめてくる。
いつものようにピタリと合わせにくい私は目を逸らした。
「社さんにどう思っているのか聞かれた時も迷いがあったよね?」
「っ……、それは……」
「もしかして忘年会の時に後ろめたいことでもあった?」
忘年会の翌日、朝起きたら課長が同じ部屋にいたことはソラ先輩に話していない。
それに課長から聞いた話だとあの晩は何もなかった。
社さんからの質問にすぐに答えられなかったのはそれが理由ではない。
「何もありません。強いて言うとお酒を勧められて飲みすぎてしまったことです……」
「じゃあ、どうしてすぐに答えられなかったの?」

