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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

先に続く言葉を言えないでいると、ソラ先輩が私の両手首を強く掴んでくる。
まるで迷っている私をその場に押さえつけるように……。
「何がなんでも一緒にいてもらうよ」
逃げる選択肢を奪う支配欲が今は嬉しいようで複雑だった。
「っ……、世間の目がどれだけ怖いか分かっているんですか?」
「確かに風子よりスマホのことは詳しくないよ。それにネットに執着がないからあまり実感は湧かないけど大丈夫。万が一、何か起こったとしても風子のことを守るから」
「どうしてそこまで……」
あの書き込みで私はこんなにも潰されてしまいそうなのに……。
涙が滲んでいる視界で真っ直ぐ見つめると、ソラ先輩は私の手首を掴んでくる力を緩めて優しく微笑んだ。

