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愛おしいキミに極甘な林檎を
第53章 あなたがそばにいれば……

「颯太…さん……!?」
先に後ろを振り向いて思わず声を上げると、颯太は不機嫌そうな顔でこちらに近づいてくる。
またお姉さんと甥っ子と買い物に来ていたんだろうか……。
なんだか怒られそうな気配がして、ドキドキと鼓動が早くなってくる。
一方、やって来た人が誰なのか分かっているからなのかソラ先輩は前を向いたままだった。
「その女には結婚が決まってる彼氏がいるんだよ。手ぇ出したら許さねえからな。今すぐ置いて帰れ」
どうやら颯太は私が他の男と一緒にいると勘違いしているようだ。
そのことも見抜いたのか、ソラ先輩は私を引き寄せて腰に手を当てて颯太をからかっている。
隣でやれやれと思いながらも面白くて私もニヤけていた。
「聞いてんのかてめえ……!ふざけやがって!力づくでもその女は連れて行かせねえからな」
遂に憤怒した颯太は、ソラ先輩のコートを引いてから拳で殴り付けようとしてくる。

