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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆




ネット上で噂になっている人だと怪しまれた私たちは、ショッピングモールから出て昼から開店している居酒屋へ入った。


客席は個室になっていて人目から避けるには打って付けだった。


「ちょうど昼飯の時間だったからこう言うところで話せばいいだろ」


「昼から居酒屋って初めてです……」



「金は心配すんな。ボーナスが入ったから婚約祝いに奢ってやる」


「えっ!?奢ってもらうのは悪いですって――――」


「ありがとう。それじゃあ、遠慮なく」


借りを作りたくないから断ったけど、隣でメニュー表を見始めたソラ先輩が遠慮しないなら私もそうさせてもらうことにする。


料理を注文をしてからお冷を飲んで、知らない人からの視線から解放された私の心は少しずつ落ち着いてきた。



「それにしても塑羅緒の変装は下手だな。顔を見れば親父さんに似てるって分かるぞ」


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