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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



「眼鏡まで掛けているのに?」


「元が変わらねえんだから分かるに決まってんだろ」


ソラ先輩は変装できていると自信満々に黒縁眼鏡の位置を直していたけど、颯太の言うとおり顔は変えられないからバレてしまう。



「そっちは大丈夫なんですか?従兄弟だからソラ先輩に似ているって疑われません?」



「見れば分かるだろ。塑羅緒は父親の方に顔が似てるから、母親の方の親族であるオレとはあまり似てねえ」


「ううっ……。確かにそうですけど……」


二人共も女性の目を引き付ける程、容姿がいいのには違いないし……。



喉が渇いていたからお冷を飲み干し、空になったコップを両手で包んでいると隣に座っているソラ先輩がテーブルの上にあったピッチャーで水を注いでくれる。


「ありがとうございます、ソラ先輩」


表情を緩めた顔でお礼を言うと、向かい側に座っている颯太が頬杖をついた。



「おまえら、本当に仲が良いな。でも世間では風子が浮気したことになってるのか。……やっと結婚すると思いきやこんなことになるとはな」


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