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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆

「そうだね。まさかこんなことになるとは思ってなかったよ」
私だってそうだ。夢で見たような危機が近づいているとは信じたくない。
「浮気されているから婚約を破棄した方が塑羅緒は幸せになれる、って世間は思ってんだろうな。SNSを見てるとそんな書き込みばかりだ」
「…………」
ここまで大騒ぎになってしまったこともあって何も言うことができない。
それに、ソラ先輩の家族に迷惑を掛けない方法は結婚を諦める方法しか残されていないから……。
冷たい水で満たされているコップを持ち、中に視線を下ろして少し解けている氷をカランッと音を立てて揺らした。
「でもオレは、おまえらのことを何も知らねえヤツらの意見に流されて欲しくねえ。
……塑羅緒と風子の気持ちは何も変わってないんだよな?」

