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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



静かな声で本当の気持ちを言った後、ソラ先輩は私を引き寄せて体をそっと包んできた。


嫌ならしなければいいのに、っと言いたかったけれど、何か考えがあるからなのか今回はどうしてもその意志を曲げない。

だから私は不本意ながらも従うしかなかった。




大晦日が目前になってきた日。


東京に行くソラ先輩を駅まで見送ってから、私は課長と会うことにした。


「急に誘ってすみません。今日はよろしくお願いします」


「ああ。今日は暇だったから誘ってもらえてちょうど良かった。どこに出掛けたいんだ?」



嫌がる顔でもなければ、異様に喜んでいる顔でもない。

会社にいる時と何ら変わりない態度でホッとした。



「昨日、見たかったお店に行きたいんですけどね。えーっと、あそこは――――」


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