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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆

前に立ったソラ先輩はネクタイを緩めて私を冷たい瞳で見下ろしてくる。
目の届くところでは黙って話を聞いていたし、何もしていないと思う。
でも知らないうちにソラ先輩の地雷を踏んでいてもおかしくないから不安になってきた。
「どうだったって……、買い物をしていただけですから……。欲しい物が買えて嬉しかったですし、安売りしている物を見れて楽しかったですよ」
「上手く避けてるな」
避けていると思われている対象は恐らく課長のことをだろう。
「課長とは一緒に出掛けても普通ですよ。仕事場にいる時と変わりません。上司ですから失礼なことはできませんし」
「ふぅん、そうなんだ」
納得してくれたのか分からないけど、ソラ先輩は私の隣に座って軽く口付けをしてきた。
笑ってはいないから機嫌がいいのか、悪いのかさえ判断がつかない。
「実家に行ったら風子との婚約のことを案の定話されたよ」

