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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆

「……はい」
出掛けている時に課長に言われたことが胸に引っ掛かっていて、堂々としていられるほど真っ直ぐな気持ちでいられなかった。
太股の上に置いた手をぎゅっと握ってから、ソラ先輩が私をじっと見ていることに気が付く。
「今日、泣いた?」
「えっ……?どうしてですか……」
「目が腫れている気がするから」
よく細かいところまで見ているものだ。
話せないことが絡まっている時に、追求されるのは困ってしまう。
「これは……、目にゴミが入ったんですよ。アレルギーなのかなんなのか分かりませんけど、痒くて擦りすぎちゃって……」
適当に誤魔化している間、ソラ先輩がネクタイを解いてから白いシャツのボタンをいくつか外していた。
「へえ、それはさぞかし痒かったんだろうね」

