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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り



午後八時。女友達とファミレスでご飯を食べて話を終えた。


手を振って別れた後、迎えに来てくれたソラ先輩の車に乗り込む。



女友達の前ではあまり見せないように我慢していた眉をひそめた顔をして助手席に座り、すぐにソラ先輩の腕に絡みついた。


「おかえり、風子。友達とのご飯は楽しかった?」


「まあ……、楽しかったです」



「あまり面白くない顔をしているみたいだけど、どうしたの?俺の迎えが遅かった?」


「違います。……ちょっとソラ先輩のことが恋しくなっただけです」


「そっか。俺も同じ会社の人に彼女の話をされると風子のことが恋しくなるから分かる」



雪が絶え間なく降り続き、夜で暗いということもあるのかソラ先輩は周りに気にせず私にキスをしてくる。


目を閉じて唇を重ねるととても気持ちいいのに、女友達と話したことが頭に引っ掛かかってあまり集中できなかった。


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