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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

定時が過ぎて数十分後、うちの課の人が誰もいなくなってから課長に声を掛けられた。
「……はい」
ネット上の書き込みについては解決してもまだ続いている恋人のフリ。
ただ一緒に帰るだけだけど、社外の人からすれば恋人のように見られてもおかしくない……。
会社から出ると外は雪が数センチ積もっていた。
コートを羽織っても下半身はスカートにストッキングだからとても寒くて、腕を抑えて縮こまりながら課長の隣を歩く。
「陸田さんの代わりの人っていつから入るんですか?」
色々聞きたいことはあるけれど気まずくて、まずは無難な話を振ってみる。
「明日からだ。乙羽の方が先輩になるから色々教えてやってくれ」
「分かりました。課長も忙しいでしょうし、私も力になります。一体どんな人が来るんでしょうね。ちょっと楽しみです」

