この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

隣を歩きながら私の体系を舐め回すように見てくるから再び呆れてしまう。
「職場に戻ったら潮崎さんにセクハラされましたって課長に言いますね」
「固いこと言うなって。同級生なんだからさー」
本当なのか疑いたくなるけど、私の前の苗字を知っているという事は嘘ではないんだろう。
中学二年生の時まで私は何をしていたのかな……。
ソラ先輩とは一緒にいたのかな……。
記憶喪失になったせいで、高校一年生の夏から自分の人生が始まったような感じだから過去のことは覚えていない。
ぼんやりと思い出せるのは家族のことと、……心が温かくなるような思い出。
家族以外の人との思い出ということまでは薄っすらと記憶が蘇っている。
誰と何をしたのかまでよく思い出せないけど……。
「あの……、どうしてそんな昔の話を覚えているんですか?」

