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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

「おっさんは邪魔なんだよ!」
「郁哉さんっ……!」
私を守ろうとして前に立った課長に、感じの悪い男が振り上げた拳が勢いよく当たり私は目を瞑った。
一発だけでは済まず、何度か殴られているようだった。
恐る恐る目を開けるとよろけながらも私を守ってくれる課長の姿が映って涙が出てくる。
「っ……。乙羽……、大丈夫か……?」
「はい……」
私のせいで……、私のせいで課長が……。
意を決して課長の前に出ようとすると「くるな」っと言っているように腕で阻止される。
これ以上、傷つけたくないのに……。
「早く退けろって言ってんだろ!このオヤジ!」
もう一度課長に向かって男が拳を振り上げた時、急に感じの悪い男の動きがピタリと止まった。
「なんだよてめぇ。いきなり出てきてどっから湧いたんだ?」

