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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

解決策が見つからないまま話を終えてから、ソラ先輩と二人で課長を玄関まで見送る。
廊下を歩いている時に私を守ってくれていた後姿を見ていると、痛い思いをさせてしまって申し訳ない気持ちが蘇ってきた。
ソラ先輩に嫌な思いをさせないように余計な口を挟まないようにしていたから、課長には明日会社に行った時に改めて謝ろう……。
「お邪魔してすまなかった。会社の人からの早く嫌がらせがなくなるといいな」
「はい。とりあえず家を知られている以上、引っ越すことも検討してみます」
「それもいいかもしれないな。……乙羽、また明日な」
「はい。お疲れさまでした。気をつけて帰ってください」
課長が外に出て玄関のドアがパタンッと閉まった後、鍵を閉めてリビングに戻ると急にソラ先輩が私の肩を掴んでくる。
しかも二人きりになって笑顔が戻ると思っていたのに、課長と話をしていた時のシビアな表情のままだった。
「ソラ先輩、どうしました……?」

