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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……

「妊娠したのか……?」
「はい」
薄暗い中、僅かな街灯の光で課長が目を見開いて驚いている顔が見えた。
この話でどれだけ驚かれても私は表情を何一つ変えずに向き合う。
三台ほど車が近くを通って行った後、黙っていた課長は困ったように笑った。
「忘年会からまだ少ししか経っていないんだから、妊娠しているかなんてはっきりと分からないだろう?
生理が遅れているだけじゃないか?」
「昨晩、検査をしてみたら陽性が出たんです」
「冗談はよしてくれ」
「妊娠しても責任を取ってくれるっていうのは嘘だったんですね……。私の彼氏を裏切ってしまった罪を一緒に背負っていくことも……」
「……それは嘘ではない」
「じゃあ、どんな風に責任を取ってくれるんですか?」

