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愛おしいキミに極甘な林檎を
第9章 曖昧と鏡の前のお仕置き

「弟と妹のためにケーキを買ってきてくれたお礼はきっちりと果たします。
実は今日、弟と妹と遊びに出掛ける約束をしていたのですが、仕事になってしまいまして怒らせてしまったんですよ。
だから風子さんが買ってきてくれたケーキで謝るきっかけを作ろうと思います」


「いつも仲良くしてるのに喧嘩をしたりするんですね」


「歳もかなり離れてますし、僕とは殆ど喧嘩をしないんですけどね。ですから、怒らせたらそう簡単に機嫌を直してくれないので大変です」


「二人共、理人さんのことが大好きだからすぐに許してくれますよ」


「そうですね。でもとても信頼しているからこそ、裏切られたらなかなか許せないのかもしれません」

「…………」


「このケーキ、冷蔵庫に入れておきますね」


理人さんと廊下で別れてから部屋に戻り、スマホを見て届いていたメッセージを読む。

信用してもらおうと頑張っている姿を見ても信じられない理由がやっと分かった。


私はソラ先輩のことを許せないんだ……————

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