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愛おしいキミに極甘な林檎を
第9章 曖昧と鏡の前のお仕置き

「そうですね。相手が決まるまでの代わりとして理人さんだと言っておくのも悪くないかもです……」
「話が分かるじゃないですか。ではそういう事にしておきましょう」
視線の高さを合わせられてキスをされそうになる。
でもそれを避けるように理人さんの肩を軽く押した。
「だけど、一度そう言ったら結婚をトントン拍子に進められそうなのでやめておきます。
今は自分の気持ちが分からなくなっているので、もう少し時間が欲しいんです」
後どのくらい経てばこの気持ちがはっきりするのかも分からないけど……。
再び俯くと溜息をつかれてからケーキが入った紙袋を奪われた。
「…………。分かりました。千十郎様には僕の方から適当に理由を言っておきます。紹介するのはもう少し先にして欲しいと」
「え……。そんな事を言っておいてさっきの提案を伝えたりしないですよね……?」

