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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……

「潮崎さん……、課長をあまりいじめないでよ。疲れてるんだから」
「それはおれも一緒!……で、どうなんですか!?」
呆れながらも止めても眉間にしわを寄せている潮崎さんは課長の方へと詰め寄っていく。
私も早く帰りたいから残業中の上司に邪魔をしないで欲しい。
そのことも注意しようと思ったら、どうやら課長が帰り支度をし始めたから向かって行ったようだった。
一時期仲良くなったと思いきや、最近の休憩中や仕事終わりにはいつも潮崎さんが突っかかっていく日々。
陰湿ではなく、分かりやすいから可愛い方だけど課長にとって迷惑そうだ。
「いや、思っていない。今なれなくても後で二人きりになれるからな」
「ううう……。それってやっぱり……」
潮崎さんが不満そうな顔をして職場を出た後、戸締りをして仕事場の電気を消してから私は課長の後について行く。
「乙羽、家に帰るぞ」
「はい――――」
微笑んで返事をしてから少し後ろを歩き、薄暗くて見えにくいことを利用してその笑顔を消した。
ソラ先輩、……私はあなたを幸せにします。
だから、……裏切ることを決めました――――

