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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

これはソラ先輩と婚約をしてからどれくらい経った時の話だろう。
一年は経っていなかったと思う。
「風子さん、旦那さんがいらっしゃいましたよ」
ベッドで少し眠っていた時、看護師さんに声を掛けられて私は目を覚ました。
「……風子!」
早めに仕事を切り上げ、病院に息を切らして駆けつけてきた夫を見て微笑む。
「元気な赤ちゃんが生まれたんですよ。お母さんもよく頑張ったんですからね。おめでとうございます」
妊娠していた私は無事に出産したばかりだった。
産まれたのは女の子。
赤ちゃんと対面して顔を見た時、ソラ先輩に似ているのが分かった私は喜びと悲みで涙を流して抱いた。

