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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

周囲に人がいなくて、子供がこちらを見ていない隙を狙ってキスをされる。
ソラ先輩はどう感じているか分からないけど、私にとってはいつまでも甘くて蕩けるキス。
一度触れてしまったら、その先は止まることができない。
「愛してますっ……。もっと…前みたいに激しくしてください……」
それからは二人きりで会って新たな罪を重ねてしまう。
私との婚約を破棄したことによって、色んな人から同情されたソラ先輩はあるべき姿の日常に戻れたようだった。
新くんや火ノ浦さんからの嫌がらせもなくなって職場の人間関係の悩みもない。
変わったのは、私が他の人と結婚していることだけ……。
浮気をしてしまうことは郁哉さんと結婚した時から分かっていた。
不幸にすることさえも分かっていたのに、どうして郁哉さんと結婚したんだろう。
自分で決めた自覚がないからなぜ夫婦になっているのかさえ不思議だった。

