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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人



「でも泣いたんだから、それはつらかったってことなんだよ。俺の前では強がらなくていいから」


小さい頃に誰かに受け止めてもらいたかった感情が大人になって癒えていく。


大人になってから、っというよりもソラ先輩と付き合ってからだ。


抱きしめられているとひとりではどうすることもできない気持ちが安らぎ、満たされていくのを感じる。


温かさに浸っていたら自然と笑みが浮かんできた。



「ありがとうございます。ぎゅーってしてもらっていたら元気が出てきました」


「それなら良かった」


「はい。ソラ先輩がいるから私は大丈夫です」


私も大好きな背中に手を回して、愛してると伝えるように抱きしめる。


でも今回、記憶が蘇ったのは悲しいことだけではない。


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