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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

大事なことは殆ど教えてもらったけど、ここまで長く一緒にいるんだから思い出話に浸るのも面白そうだ。
バレンタインデー前日。
会社の廊下を歩いていると他の課の女性と話している潮崎さんの姿があった。
その様子を見た時に目が合って、何を思ったのか話を終えて私の方へ駆け寄ってくる。
「チョコの催促はできた?」
「そんなこと風子以外にできるかよ。仕事の話をしてただけだって。……って、バレンタインデーは明日か!手作りチョコ楽しみにしてるから」
「ねえ、小さい頃の私は潮崎さんにハート型のチョコをあげたことあるんだっけ?」
「あるよ!ハートを選ぶなんて意外と大胆に想いを伝えてくるなって思った」
「ハート型の商品なんていっぱいあるのに……。私って潮崎さんのどこが好きだったのかなぁ……」
「それはこっちが聞きたいなー。教えて」
「今更言われても思い出せませんって」

