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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

「俺がそうさせているんですよ。……失礼します」
「ええっ!?……まさか、彼氏公認で課長も混ぜて…、さっ、さんぴー……」
「違うから!」
かぁっと顔を熱くすると、ソラ先輩に肩を掴まれて潮崎さんに背を向けるように促される。
一緒に来るように腰に手を回されたから、急いで潮崎さんに「お疲れ様でした」っと声を掛けて立ち去った。
会社が見えなくなるまでソラ先輩は何も話さなかった。
でも怒っているようにも見えないし、冷たくしている感じもない。
どちらとも言えないから私も黙ってソラ先輩の出方を待っていた。
「さっきの人に風子って呼び捨てで呼ばれているんだね」
沈黙を破った台詞は絶対に聞かれると思っていたこと。
きっと私の名前を呼び捨てで呼ぶのは家族と女友達、元彼くらいだから気になるんだろう。

