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愛おしいキミに極甘な林檎を
第10章 告白と脅迫

「あれ!?写真がない!……どうしてくれるんですか!しかも他人のスマホを勝手にいじるなんて!」


写真がない……?


「その写真を削除させて頂いただけです。うちの大切なお嬢様を盗撮されては困ります」


目の前で繰り広げられる理人さんと佐伯さんの会話を唖然として見ていることで精一杯だった。


「その大切な女が裏切っていたんですよ!?」


「僕は本当は婚約者ではなく、お嬢様を守る使用人みたいな者なので風子さんは裏切っていません。……では、お嬢様は忙しいので失礼致します」



理人さんは律儀に頭を下げた後、近くに駐車しておいた車まで私の腕を引いて連れて行く。


その姿はいつもより頼もしく見えた。


車に乗ってから、佐伯さんと離れられて安心した私は紡いでいた口を開いた。


「理人さん、助かりました……。ありがとうございます」

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