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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



「はいはい。言われた通りに風子ちゃんのことは迎えに行ったよ」


年上の理人さんや郁哉さんでさえも打ち負かしたあのソラ先輩が押されている。


珍しいその姿を見るのも面白くて、茶々を入れずに親子の会話を聞くことにした。


「ありがとう。父さんは何の用事で来たの?」


「離れて暮らす息子とお嫁さんの様子を見に来たんだよ。……っというのはついでで仕事が早く終わったから、古い友人におめでたい話をするために会いに行ってきたんだ」


「今日は平日だけど……」



「会えたからラッキーだったよ。預かってきた物を忘れないうちに渡しておくね。……結婚おめでとう、だってさ」


出来上がった料理を運んでいくと、叶斗さんはバッグから取り出したものを私の方へ向けてテーブルの上に置いた。


それは忘れられない人の名前が書いてあるご祝儀袋だった。


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