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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ



落ち込む昴くんを優しく慰めるソラ先輩。


確か、昴くんが合格したのは国立の医大。

とても倍率が高いから昴くんはさぞ勉強漬けだったろう。


青春の醍醐味である恋愛を禁止されていたなんて少し寂しく思えてくる。



「でも昴も大人になったら俺が変態になる意味が分かるよ。……男ならこれは普通なんだ」


いや、普通ではない。

自分の家族の前で彼女の素足をいやらしく愛でる演技をする人が普通だとは思えない。



「えっ、普通だったんだ……」


「そうだよ。何れ昴も俺のように変態になるから落ち込まなくていいんだ」


昴くんの両肩に触れたソラ先輩は爽やかな笑みを浮かべながら真面目な声のトーンで説教する。


でもこれは“いいお兄さん”を演じているだけだ。


裏の顔を知っているからこそ分かる。


「じゃあ、姉さんも普通ってこと?」


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