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愛おしいキミに極甘な林檎を
第59章 ふたりからひとつへ

こんなことを考えてしまうんだから私が反論しても説得力がない。
ともあれ、大学に進学してからどんな大人になっていくのか義理の姉になる者として彼の成長が楽しみに思えた。
気を張り詰めていた一日だったせいで、新幹線に乗って帰る時は夜景も見ないでぐっすりと眠ってしまった。
私自身はまだ認めてもらえていないけど、ソラ先輩と結婚することは認めてもらえた。
信頼を築いていく時間はたっぷりあるのだから今はそれだけで十分だ……。
それから二、三日経った日の夜。私とソラ先輩はテーブルの上に置いてある一枚の紙に向き合っていた。
「父母か……。父さんと母さんの名前を書けってことだね。……はい、風子も書いて」
「他の養父母はその他の欄に書けって、私は養子ですからこれって乙羽家の両親のことですかね?
それで私の父母が血の繋がっている母と父のことでしょうか?
でも私が生まれた時に結婚していたのは小神の方のお父さんだからそっち……?うーん、……分かりません」

