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愛おしいキミに極甘な林檎を
第60章 夢見ていたシアワセの未来

「くっつける?……那砂さんは私を他の男と結婚させようとしてましたよね?」
ジト目をしながらも言動が怪しい那砂さんに詰め寄ると、持っていたフォークを置いてから真剣に向き合う態勢でこちらを見てきた。
「それは試していたって前に話したでしょ。
彼氏くんと別れるようなことになる前に結婚させようと思ったのに、送ってやった婚姻届を風子ちゃんが無視するから」
「婚姻届……?」
「那砂が風子ちゃんを迎えに行く前、何も書いてない婚姻届が送られてこなかった?」
「あっ……」
ソラ先輩と遠距離恋愛をしていた時にも破いて捨てた婚姻届があった。
差出人は那砂さんの名前ではなかった気がするし、何も書いていない婚姻届があまりにも怪しかったから駅のゴミ箱に捨てたような覚えがある。

