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第60章 夢見ていたシアワセの未来

「そうだね。仕事で疲れているところ送って行くのも大変だと思うし、いつまでも頼っているわけにはいかないからね。

念のため、雪原くんとのことが落ち着くまで残業がない日は俺が風子を迎えに行くよ」


「場合によっては一生迎えに来るようになるかもしれませんよ？」


たまにはありもしない意地悪を言ってからかってみる。




「その時は……一生迎えに行きます」


でも逆にやられてしまった……。


不意に言われた敬語がとても新鮮で爽やかでかっこよく見えたせいで私の方が負けた。


いや、実際かっこいいんだけど……。



一緒に生活しているうちに、慣れて薄れていってしまう異性にドキドキする感情が戻ってきたように感じた。



椅子に腰掛けてニヤけてしまっている顔の頬を両手で押さえていると、ソラ先輩が背後にやってきて抱きしめてくる。