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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

「良かった!生きてる……!」
「みっ…、水……、水をください……」
屈んで私を見下ろしてくるその女に思うように出ない掠れた声で頼んだ。
何時間眠っていたのか分からないけど体内の水分が不足しているように思えた。
「は……?水?」
「飲まないと……」
「そんなに水分が気になるって……。もしかしてあんた……」
「そう言ってボクたちの隙を見て逃げるつもりなんだ。だから構う必要はないよ」
男も近づいてきて女の隣に立った。
この狭い視界では足しか見えないけれど誰なのかすぐに分かった。
「新……。水を飲ませないと本当に死んじゃうかもしれないよ……!?
そういう危険性のある薬を飲んでる人だっているんだから……。……とにかく水買ってくる!」
女が走って立ち去った後、倒れて動けないでいる私の隣に新くんが腰を下ろした。
「気分はどうですか?お姉さんが気を失っているうち二日も経ったんですよ。
こんなに手荒に連れ去るつもりじゃなかったんですけどね。
ボクの彼女がお姉さんに腹を立てていて、思いっきり叩いてしまって気絶させてしまったんですよ」

