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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意



「分かった。明日を楽しみにしてる」


* * *




明日……。


どれほどの間、頭に何かの映像が浮んだりしながら真っ暗いところにいたのかは分からない。


気がついた時には全く知らない場所に倒れている自分がいた。


体が動かないほど重くて、唇も渇いており、目も僅かにしか開かないのにそう思えたのは嗅いだことのない空気だったからだ。



埃っぽくて、微かに風も入り込み、夕陽の明かりもほんの少ししか届かない薄暗い場所。


ここは一体どこなんだろう……。



狭い視界から状況を読み取ろうとすると誰かの話し声が聞こえてくる。


「――――だって、バットで殴ったらこんなにことなると思っていなかったんだもん!
二日も目が覚めないんだよ?死んじゃっていたらどうしよう……」


「死んでもいいからそうしたんじゃない?……って言ってるそばから目が覚めたみたいだよ」


声を聞く限り、私以外にここにいるのは男と女の二人。


鉛のように重く感じる指先を動かすと女の方が私に近づいてくる。


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