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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

照れくさく思いながら恋人でないと教えるとおばあさんは穏やかな顔で微笑んでいた。
「まぁまぁ、結婚してたの~。美男美女でお似合いねぇ」
格好いいソラ先輩に釣り合う女になれている……。
他人から見てそう思ってもらえたのが嬉しくて顔が暑くなって額に汗が滲む。
「……この花壇をなくすみたいだから、花を摘んでたところだったの。
この辺ではあまり育ていてる人がいない桔梗が綺麗に咲いてたから勿体なかったんだけどねぇ」
おばあさんがいる花壇を見てみると、作業が半分終わったのか花が抜かれていて湿った土が顔を出している。
そして花壇の端に束になって置かれていたのは星のような形をしている白い花、……桔梗だった。
「こんなにたくさん家に飾りきれないからもらっていって」

