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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

「ありがとうございます」
その桔梗を何本か新聞紙に包んで渡された。
純白の花びらについている雨粒が太陽の光でキラキラと輝いていてとても綺麗に見える。
「桔梗の花言葉は“永遠の愛”って意味なのよ~。夫婦だからちょうどいいわねぇ。
若い人は家に花瓶がないでしょうし、よかったら会社にでも持って行って飾ってあげて」
二人でお礼を言ってからソラ先輩の運転する車に乗り、私は桔梗の花束をしばらく見つめていた。
茎を切り取ってからまだ時間が経っていないからとても元気に咲いている。
「このお花、懐かしいです。どこかで見たことがある気がします」
「桔梗と言えば、結婚式で使うブーケを見ていた時にトルコキキョウが綺麗だなって風子が言っていたね」
「そうなんですか。結婚式が近いから嬉しい偶然ですね。でももっと前にこの花は見たことがあったと思います」
「なるほどね。少しずつ思い出してきた?」

