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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意



「詳しくは思い出せないですけど、なんとなくそういうことがあったなって感じがしてます」


「今はそういう感じでいいと思う。でも結婚式の前に、友達や会社の親しい人とか新婦側の席に座る人の名前を少しは覚えておこうね」


「頑張ります!会社の人はこれから覚えてきますから」


過去に白い桔梗を見た時も強く印象に残った出来事があった気がする。


多分、隣にいた人も一緒だったと思うから懐かしく感じたんだと思う。


運転しているソラ先輩の横顔を見つめて微かに笑った。



「まあ、分からなくなったら佐藤さんか鈴木さんって言っておけば当たることもあるよ。日本で最も多い苗字だからね。俺はいつもそうしてる」


「いつもって……、覚える気がないだけじゃ……。でもソラ先輩がそうなら逆に自信が湧いてきました」



会社に着くまでの僅かな時間、他愛もないことを話して二人で笑っていた。



目が覚めてから明日になるのが怖かったけど、今は明日が待ち遠しい。


もう少し時間が進めば花嫁になれる結婚式の日がやってくるから。



だから、それまで……――――


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