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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「分かった。少し落ち着いてから帰ろうか」
賑やかだった二次会は午後十時過ぎまでやっていたから外は真っ暗。
街灯があちこちに立っているけど、日曜日の夜だからか歩いている人も見当たらなくてとても静かだった。
公園内に設置されているベンチに腰を掛けると、夏を告げる生ぬるい風がやんわりと吹いているのを感じる。
ふぅっと息を吐いてから夜空を見上げるといくつか星が見えて微かな輝きを放っていた。
「結婚式、どうだった?」
すぐ隣に座ったソラ先輩が話し掛けてきて私は視線と体をそちらへ向ける。
「とても楽しかったです。それに、やっぱり今日に挙げることができてよかったなって思いました。……死ぬまで忘れられないほど幸せな日になりましたから」
「それならよかった。ひとつ夢を叶えられた気分だよ」
「夢……?」

