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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

恋人としての時間は終わってしまったけれど、これからは夫婦としての時間が始まる。
事件が起きる前の自分はどう思っていたのか分からないけど、結婚式を無事に終えた今はやっとそれが実感できた。
私はこれからソラ先輩の妻として生きていくと……―――
二次会が終わり、三次会も誘われたけどソラ先輩が私の体調を考えてくれて今日は帰ることになった。
バーを出た近くにタイル張りの広々とした公園があって、車が止めてあるところへ向かうためにそこを歩く。
その途中でパーティードレスに薄いボレロを羽織っている私を見て、ソラ先輩は着ていたジャケットを掛けてくれた。
「今日はお疲れ様。よく頑張ったね」
結婚式は終わったけれど、やるべきことはまだ終わっていない。
「ちょっと待ってください。休んでいいですか?」
「ごめん。歩くのが早かったかな?」
「いいえ、違います。まだ家に帰りたくなくて……」

