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第62章 愛おしいあなたに……

でも意識がなくなる最後まで聞こえていた大好きな声も段々遠くなっていってその願いは叶わなかった。


離さずに持っていた手紙が遂に冷たい地面へとひらりと落ちる。



私が眠ってしまってもずっと伝えたかったことがソラ先輩に届いただろうか。



この手紙に書かれていることを……――――




【今日は結婚式でしたね。素敵な結婚式を挙げてくれてありがとうございます。


私からのサプライズとたくさんの手紙にはびっくりしましたか？


いつもプレゼントをしてもらってばかりだったので今回は気合いを入れてみましたけど、私にできることはこれくらいでソラ先輩には敵わないなって思います。


手紙って、いざペンを持つと何を書いていいのか分からなくなりますね。

伝えたいことは日頃思っているのに書くとなると忘れてしまってなんだか難しいですね。


私もソラ先輩を見習って素直に伝えられたらいいのにな…。……っというか私がこの手紙を書いているところを見ましたよね？


見ないでって言った時には覗き見しちゃダメですよ？

これからはそうしてくださいね。じゃないとサプライズをする隙がないですから。