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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

名前を呼ばれて答えようとしても頭が割れそうなくらいの激しい頭痛に襲われながらぼんやりと意識が遠のいていく。
暗闇を優しく照らしてくれている月が見えて、このまま眠っても気持ち良いくらいの温かい空気が包む。
だからなのか不思議と悲しい気持ちはない。
目的を最後までやり遂げることはできなかったけど今日はとても幸せな日だった。
「風子……!風子っ……!――――」
がくんと倒れそうになった時に体を支えられて世界一大好きなぬくもりを感じる。
しっかりするように体を揺さぶられても襲ってくる暗闇から抜け出す力はなかった。
ソラ先輩……。
愛おしいあなたの顔が見えなくなっていく。
目を閉じる前にこの手紙を声に出して読んであげたかった……。
今の私から話したかった。
どうなってもあなたのことを愛していると伝えるために……――――

